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転んだことがきっかけで、二人の仲が近づいたNさんとKさん

當麻寺中之坊の写仏

 「當麻寺中之坊写仏コン3(奈良)」で一緒になったNさんとKさん。日常では知り合うことがないはずのお二人が、ちょっとしたトラブルを経ながら、ご縁を感じて心が近づいていったようです。NさんとKさんに寺社コン体験談と、お付き合いに至る過程をお聞きしてみました。


■Nさんの寺社コン体験談

◆参加のきっかけ

 子供の頃からの歴史好きもあって、由緒ある寺社の散策を趣味としていました。35歳の頃に旅先で見つけた宿坊に関心を持ち、後日にインターネットを検索する中で「宿坊研究会」の存在を知りました。そこで「寺社コン」を発見したのです。

 寺社好きの男女の出会いという奇抜なコンセプトには流石に驚きましたが、趣味や話題を共有する異性と知り合う絶好の機会になるのではと思い直し、参加を考えました。

◆申し込みまで

 これまでにお付き合いしてきた女性は身近な方(学校・職場など)ばかりでしたので、異性との出会いを第一の目的とした集まりには一度も参加したことはありませんでした。寺社コンへの参加を考えたものの「参加しても作法がわからず恥をかくのではないか」「話題がマニアックすぎて会話にならないのでは」などとマイナスな想像をして不安になり、なかなか申込みができませんでした。仕事を終え帰宅してから寺社コンのHPを眺めては悩み続けていました(笑)

 二の足を踏んでいるうちに申込み締切日となり「何事も勉強! まずは寺社好きの女性に会ってみよう!」と結局は開き直って申込みをしました。

◆初めての参加

 私が初めて参加した寺社コンは2012年8月の「大覚寺宝物館拝観コン」でした。門前で受付をしている参加者の集まりを見つけた時は「ついに来たなぁ」と胸を高鳴らせました。寺社コンが開始されたものの、情けないことに何をして良いのか分からず戸惑いました(笑) 普段の生活で未知の異性と話す機会を持たなかったことを後悔した時間でした。

 初回の参加では「目的」を達成することは叶いませんでしたが、同じ趣味を持つ男女の参加者と知り合い、楽しい時間を過ごすことが出来ましたので、申し込んで本当に良かったと思いました。一歩踏み出せば思わぬ出会いと世界が待っていることを学んだ1日でした。

 それからKさんと出会うまで、私は合計5回の寺社コンに参加しました。毎回、開催場所が多様で、開催テーマもあり、そして参加者も違うこともあってか、各回でそれぞれの雰囲気があって面白く感じました。参加者に抱いた印象は、男女とも丁寧で話しやすい方が多く「寺社好きの人はやっぱり良いなぁ」と感嘆したくらいです。当初心配していたマニアックな会話も逆に楽しくなるくらいでした。寺社好きといってもジャンルも多様で、好みの具合も色々ですし、会話の中で思わぬ見方や感じ方を知って感服することも度々でした。

 私自身、5回の寺社コンに参加する中で知り合った女性の方と連絡を取り合って、寺社や美術館などのデートに出かけたこともあります。けれども男女のお付き合いという形へと至ることはありませんでした。また、寺社コンで知り合った男女の方々と集まって、寺社への散策や飲み会を行ったりして楽しい時間を過ごしたこともありました。今でも連絡を取り合い親しく交流をさせて頂いている方々もいます(主に男性です)。

◆Kさんとの出会い

 Kさんと出会ったのは、2014年8月に開催された「当麻寺中之坊写仏コン3」でした。体験型の寺社コンに参加された方(寺社コンで出会われた方と結婚されました!)から勧められこともあり、当麻寺も一度訪ねてみたかったので良い機会と思い参加を決めました。

 Kさんに抱いた最初の印象は、自己紹介がとても丁寧なところがあったので真面目で誠実な方というものでした。清潔感と落ち着いた雰囲気もひときわ私の目を惹きました。

 寺社コンが始まって最初に中之坊の庭園を観覧したのですが、話しかけるチャンスを掴めずそのまま写仏会場までの移動となりました。行列の最後尾の方で「Kさんとどのようにして話しかけよう」と思案しつつ歩んでいますと、会場の玄関で先に行かれたはずのKさんがいたのです。・・・けれども声をかけることができませんでした。Kさんが先に靴を脱ぐのを待っていた時でした。なんと! Kさんがつまずいて転倒しそうになったのです! 私は咄嗟に「大丈夫ですか!」と声をかけていました。このハプニングがKさんと話しをするきっかけとなったのです。このチャンスを生かさなければと、写仏体験や導き観音様の法要では率先してKさんの隣の席を占め共に行動するようにも心掛けました。

 写仏は初めての経験というのもありますが、日常生活で筆を持つことがないため思ったようにできませんでした。けれども姿勢を正して筆を持ち、観音さまを静かに写す作業はとても新鮮なもので、集中して筆を進めるにつれて心が透明になるような清々しい気持ちになりました。Kさんとは観音さまの出来具合を確認したり、アドバイスを交わしあったりして、体験型の寺社コンならではの会話とやり取りを楽しみました。

 懇親会ではKさんの隣席にならなかったのですが、懇親会場へ移動するための電車の中でも一緒に過ごしていたこともあって、Kさんをもっと知りたいと思っていました。最後にしっかりアプローチをしないともう二度と会えない気がしましたので、閉会の直前にKさんへ歩み寄って連絡先を教えて欲しいと申し出ました。Kさんからは心地よい返事を頂くことが出来たのでした。

◆Kさんとのそれから

 Kさんとは寺社コンが終わってから連絡を取り合い、1週間後の日曜日に奈良へ出かけました。

 誘ったのはもちろん私の方からで「東大寺、奈良町界隈を散策しながら楽しくお話しませんか」という内容でした。ただ当日は大雨で散策どころではなかったのです。雨宿りで訪ねた奈良国立博物館のなら仏像館を見学した後に、館内の喫茶店で話をして過ごしました。小雨になった時に春日大社を訪ねたのですが、またまた途中で大降りとなって、結局神社の中で立ち往生となりました。会話をして時間を過ごしましたが止む気配もありません。夕闇が近付いてきたので、バスかタクシーで帰ろうと参道を急いで戻ることにしました。

 途中の石段にさしかかった時でした。思わぬトラブルが発生したのです。Kさんが濡れた石段に足を滑らせて、激しく転倒されたのです! 滑った勢いで傘も投げ出してしまい、Kさんは滝のような雨に打たれるままになってしまいました。私は驚いてKさんのもとに駆けより、濡れた体を抱きかかえたのでした。その時のKさんの痛みに我慢する姿と、こんな事態になってしまった羞恥と悲哀にあふれた表情を見た私は、自身の不注意を責めました。けれども、一番辛いはずのKさんが「大丈夫! ありがとう」と満面の笑顔を出して逆に私を一生懸命に労ってきたのです。その姿を見た私は、自身のことよりも目の前の人を気遣うKさんの素敵な人柄に魅了されたのでした。

 そしてまた「Kさんと友達になるのか、それとも特別の関係になるのかはわからないけれど、Kさんの力になろう! 支えていこう!」と強く思ったのです。Kさんにとってはとんだ災難でしたが(2回の転倒が話かける機会にもなり、好意を抱く機会にもなったのです)、この出来事を経てから私のKさんに対する意識と接し方は大きく変わりました。Kさんが私にとって特別な存在へとなったのは、出会ってから約3か月半後、11月のことでした。

◆最後に

 寺社コンに参加した当初は、このような素晴らしい出会いが待っているとは想像もできませんでした。Kさんと特別な関係を紡いでいることに驚いて、感慨にふけることも度々です。2人の間には年齢・出身地・現住所・職業・交友関係・行動範囲など、共通する点がほとんどありません。日常生活を送る中では決して知り合うことはなかったでしょう。例えどこかの寺社で遭遇したとしてもお互いを意識することもなく、擦れ違っていたはずなのです。寺社コンが、まず出会うことのない寺社好きの二人を出会わせてくれたのです。

 人との出会いは「たまたま」「偶然」の一言で表現することもできますが、私はKさんとの出会いをその一言では表現することをためらいます。なぜなら、多くの先人が不思議なつながりを「ご縁」という言葉で表現してきた心境を、Kさんと出会ったことで実感しているからなのです。たとえ「偶然」であったとしても「ご縁」で出会ったと思えば相手はかけがえのない存在となりますし、これからも相手ときちんと向き合い、大切にしていかなければと、意識も前向きにチェンジします。

 この冬には双方の家族にも紹介が終わり、春からのKさんと結婚を前提にした新生活に向けて、現在は引っ越しの準備や手続きでお互いにてんてこ舞いの日々を送っています。些細なことで衝突するのはいつものことですが、お互いの違いを認めて、尊重し、信頼する気持ちがあるからでしょうか、ケンカしても後々に引っ張ることなく仲良く過ごしています。寺社コンで頂いたこの素晴らしい「ご縁」を心のより所にして、お互いを支え合いながらこの人生を歩んでいきたいと思っています。

 寺社コンという素晴らしい出会いの機会をもうけて下さった主催者の堀内様には心から感謝を申し上げます。そしてKさんと縁を結ぶ場となりました当麻寺中之坊様にも感謝を申し上げます。未来の参加者の素晴らしい出会いと、寺社コンの益々の発展を祈念いたします。ありがとうございました!

 寺社散策などの集まりに誘って頂いたМさん、Sさん(「成立カップルの声」NO.8の方です)、Kさん 、Hさん、そして男性参加者の密かな集まり「男会」のみなさん(Kさん、Sさん、Aさん)、ありがとうございました!


■Kさんの寺社コン体験談

◇参加のきっかけ

 私は幼少の頃から、産土の神様とご先祖様のお寺をお参りするのが好きでした。他の神社やお寺にも興味は抱いていたのですが、若い頃は寺社に関心があることがお年寄りじみていると思われそうで恥ずかしく、内緒にしていました。

 しかし今年初めに御朱印巡りを始めてみたのをきっかけに、様々な寺社をもっと深く知ってみたいと感じるようになったのです。しかし1人では分からないことばかりで、寺社に詳しい方と知り合うことができないものかとPCで興味本位に検索してみたところ、寺社コンのHPが出てきてこんなイベントがあるんだと大変驚きました。

 PCで知ったコンパに参加したことなど今まで一度もなかったのですが、(1)地元でも開催されているので1人でも行きやすそう(2)導き観音様を拝観できる(3)写仏を体験してみたい、そんな好奇心もあって申込みを決意しました。

◇当日

 当日は思っていたよりも参加者が多く驚いたのと、男女共に真面目で穏やかな落ち着いた方が多い印象を受けました。

 集合場所での自己紹介の時に、インスピレーションでお話してみたいな♪ と感じる方がいたのですが(その方がNさんです)、寺内見学時はかなり遠くに離れてしまいました。初参加の私は段取りが分からず流れについて行くままでしたが、周りを見渡すとすでに仲良く会話されている方もいらっしゃり、私もせっかくの機会を頂けたのに恥ずかしがっていてはもったいない! ダメもとで積極的にいかなくては! と感化されました。

 しかしお目当てのNさんとは距離がとても遠く…(私は前方で彼は後方でした)。会話のタイミングを掴むためにどうにかそばに行けないものかと、私はさりげなく見学するスピードを落として、Nさんが近づくのをひそかに待っていました(笑)

 とはいえ…私からどんなふうに話しかけよう? と思い巡らせうわの空でいたところ、写仏部屋に上がる時につまずいてひっくり返りそうになり大焦り! そんなとき背後から「大丈夫ですか?」と声をかけて下さる方がいたのですが、なんとNさんだったのです。私はカッコ悪い姿を見られたかと思うと顔から火が出そうでした(苦笑)

 しかし接近したことで会話のチャンスに恵まれたことは、とても嬉しかったですね☆ それからはここぞとばかりに積極的に話しかけましたが、Nさんは気持ちよく対応して下さり、勢いのついた私は写仏体験時も、えいやっ! と隣の席へ・・・(笑) 恥ずかしながらも勇気がもてたのは、導き観音様が導いて下さったおかげでしょうか。

 しかし夜の親睦会では席が遠く、Nさんとはお話する機会に恵まれなかったのです。積極的に動くことに努めていた私も、最後の番号交換ではさすがに聞きに行く勇気はなく…(苦笑) 彼が聞きに来て下さらなければご縁はなかったと思って諦めようとしていました。

 今からふり返ってみると、私が彼と番号を交換に至るまで発展できたのは、前半の段階でたくさん会話できたからでしょう。あの時、前半の段階で勇気を出して動いておいて本当に良かった! と感じています。

◇その後

 Nさんとは頻繁にメールを重ね、翌週末にはさっそく2人で会うことになりました。彼とは出会ってまだ間もないにもかかわらず、一緒にいると落ち着き、ありのままの自分でいられることが不思議で嬉しくもありました。会えばたわいもない会話の中にお互いの人生観など、深い会話も盛り込んでいけたからでしょうか。短期間で心の距離が急接近したように思います。

 Nさんはおつきあいを望んで下さったのですが、私は彼に好意を寄せていたものの、交際を始めることは待っていただいていました。というのも、私は過去の恋愛のトラウマから臆病になってしまい、自分の気持ちにブレーキをかけようとしていました。出会いは求めていたものの、いざおつき合いとなると傷つくことを恐れ躊躇してしまう…。

 このままではいけないとそんな自分にケリをつけるべく、私は今年の11月に初心者ながらもフルマラソンに挑むことを決めていて練習に励む毎日でした。この挑戦は、私の人生の節目とし、けじめでもありました。「完走することが出来たなら私は一歩前進し、恋愛もきっといい方向に進んでいける!」そんな思いがあったのです。

 大会を目前に控え不安になる私を、Nさんは全面的にフォローして下さいました。1人でがむしゃらに練習していた私にとって、彼の存在は大きな支えでした。おかげさまで大会では目標を達成すると同時に、晴れて正式に交際をスタートさせることが出来ました。彼と共にこれからの人生を歩んでいきたいと、現在は結婚に向けての準備でおおわらわです☆

◇ふり返ってみて

 出会いは本当に不思議です。やはり”ご縁”というものはあるのかなと感じました。いただいたご縁を、その後に発展させていくのはお互いの少しの勇気かもしれません。

 長文になってしまいましたが、ここまで読んで下さいましてありがとうございました。今後寺社コンに参加される方々の、参考にしていただけたなら嬉しく存じます。そして、出会いの場を生み出して下さった堀内さんには深く熱くお礼申し上げます。今後一層のご活躍を心よりお祈り致しております。寺社コンバンザイ!!

婚活情報
寺社コン  寺社好き男女の縁結び企画。12年間で500人以上が結婚し、主催者もここで出会った人と結婚しています。同じ趣味の人と出会えるため、初対面でも話がしやすいことが特徴です。ただし知識は不要ですが寺社に興味がない方の参加はお断りしています。
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